こんにちは。4年間で150棟の注文住宅を販売した、住宅のプロ、せいやです。今回は
賃貸と持ち家どちらを選ぶべきなのか
というテーマでお話をしています。
私自身もローンを組んでマイホームを購入してまして、そういうプロの目線から賃貸と持ち家どちらを選ぶべきなのかということを皆さんに解説していきたいと思います。
永遠のテーマ「賃貸」か「持ち家」か
このテーマは本当に永遠のテーマで、色々な場所で議論がされています。
どちらを選ぶべきなのかっていうのは
- 住む環境
- 住む地域
- 家庭環境
- 買うタイミング
よって変わるので、本当にどちらが良いかなんて、はっきり断定することなんでできないんですよ。
それはプロの立場から見ても、同じで、とても断言できません。
どっちが得なの?
って言われても、本当にケースバイケースとしか言えないですし
買うべきですか?
と言われても、それもケースバイケースとしか言えないんですよね。
ですから、諸条件を本当に細かく見極めてタイミングとかも見極めた上で計算しないと本当にどっちがいいのっていうのは分からないですし、さらにこういうのは価値観が関わってくる部分なんですよ。
ただ、
- 実際どういうパターンだったらお得なのか
- どういうパターンだったら買うべきなの?
ここが皆さん知りたいと思うんですよ。
今回はパターン別で分けて、このパターンだったら得、このパターンは損。
さらに賃貸と持ち家それぞれのメリット、デメリットという点も全てまとめてお話します。
持ち家のメリット・デメリット
持ち家のメリット
まず持ち家のメリットは、
- ローンの返済が終われば資産として残る
- 債務者(ローンを借りた方)が、万が一亡くなった時に、負債が一気になくなる(団体信用生命保険)というのが付く
- 家族に帰る場所を提供できる
- お子さんが騒いだりしても、そんなに近所迷惑にならない・周りに気を使わなくていい
- 自分で好きなようにデザインを決めれる
この5つの中で、特に2つ目の債務者が亡くなった時に、住宅ローンが一気に消える団体信用生命保険に入るものがすごくメリットが大きいところかなと思います。
これはどういう制度かと言うと、住宅ローンを借りた方がローンを返済中に亡くなった時に、ローンが一切なくなる制度
これがあることで奥さんとお子さんが路頭に迷わなくて済む
住む場所だけは残る(ローンがない家が残る)ので、自分が仮に亡くなっても安心して家族が生きていける環境を提供できるポイントが大きなメリットになる
①の資産が残る話についてですけど、基本的に建物の価値は年数が経つにつれて償却してくので、大体20〜25年ぐらいで建物価値はなくなると言われてます。
ですから土地の価格だけがそのまま資産として残る感じになるけども、これが例えば駅の近くとかで買ってたら、そんな土地の値段は落ちないものですから、そういう点で資産が残るのはメリットになるかなというところです。
持ち家のデメリット
5つあげたメリットの中で特に、今説明した二つのポイントがすごく大きなメリットになる。
反対に持ち家のデメリットですけれども、
- 気軽に引っ越しが出来ないというところ
- 万が一ローンが返済出来なかった場合でも残債が残るケースが多い
- 近所ガチャが起きる
- 修繕維持費がかかる
- 天災のリスクがある
(近所ガチャ)これはどういうことかというと、マイホームを買って、隣に自分と相性の悪い人が住んでしまった場合に近所的に問題が起きる可能性がある。
4、修繕維持費がかかる
(修繕維持費)これは一軒家なら大体10年〜15年ぐらいでかかると言われているので、35年間でローンを組んだのであれば、2回くらいかかってくる。
5、天災のリスクがある
持ち家のデメリット五つ挙げさせていただいたんですけれども、特にこの五つの中で、この天災リスクがあることが一番大きなデメリットになる。
日本地震大国ですから、家を建てて翌年に大きな地震で倒壊してしまうかもしれませんからね。
そういうリスクを考えるのであれば、確かに建てない方がいいというところですが、先ほどメリットの方でも話した通り、団体信用生命保険というので、仮にあなたが亡くなったらローンがチャラになる。
そのローンがチャラになった家が家族に残るというようなメリットを話したと思うんですが、これがあなたの死亡リスクを考えた時、天災リスクを考えた時を天秤にかけるって言い方ちょっと悪いんですけれども、天秤にかけてどちらを選ぶのかが比べる時に大きな判断になる。
私は万が一自分が事故に遭って死んでしまった場合に、家族に家が残る方がメリットとして天災のリスクより大きいと考えたので、マイホームを建てる事を最終的に決めた。
天災リスクの方が大きいと思う方は、どうしても持ち家とかマイホームを買うという決断はなかなかできないのかなというとこで、最終的にどっちを選ぶのかは、この二つで決めていくのがいいのかというところではあります。
賃貸のメリット・デメリット
賃貸のメリット
- とにかく気軽に引っ越せること
- 固定資産税の支払いがないこと
- 修繕費の支払いが無いこと
- 天災リスクが無いこと
- ローン問題に困ることがないこと
この5つがメリットになります。
賃貸のデメリット
反対に賃貸のデメリット
- お金を稼いでいる人が亡くなった時に、家族が路頭に迷う可能性がある
- 家賃を支払っても資産が残らない
- 部屋の広さと価格がマッチしない
(部屋の広さと価格がマッチしない)これどういうことかと言うと、3LDKぐらいの家に住みたいとなっても、なかなか戸建て賃貸とか地方なら一戸建ての賃貸とかないので、なかなか3LDKの部屋を探すのが難しんですよね。
あとは、家賃的に3LDKに住むなら15万かかると言われてしまって、価格と広さが良い塩梅にマッチしないので、結果的に家を買った方が月々の支払い安くなるから、家を買おうかと言う人が多かったりする。
これも都内も一緒で、3LDKを都内で住もうと思うと、やっぱり家賃15〜20万で住めるけども、やっぱり20万とか取られちゃうわけですよ。
これをローン組んだら月々9万の支払いにできるから、もう家買おうかみたいな。
家族構成的にこの広さにしか無理でも、その広さに対する家賃が高すぎたりとか、そういう条件が無い場合が多いので、ここの噛み合わない点が、すごくデメリットかなというところです。
持ち家と賃貸の決め方
ここまで持ち家のメリット・デメリット、賃貸のメリット・デメリット、それぞれ話したんですけれども、
結局のところ、持ち家のメリットが賃貸のデメリットになるし、持ち家のデメリットが賃貸のメリットになる
ですから持ち家のメリット・デメリット、賃貸のメリット・デメリットをそれぞれを考えた時に、持ち家の場合はデメリットを許容して、メリットの方を優先して享受したいと思うのか、
賃貸の方のメリットを享受して、デメリットは許容すると受け入れるしかないと判断するのか、こういう基準でどちらを選ぶのか決めていくのがいい。
このメリット・デメリットは、結局価値観な部分も含めているから、メリット・デメリットそれぞれ判断して、ご自身で決めていくのがいいと思います。
今までお話した通り、持ち家と賃貸のメリット・デメリットは、持ち家を買うことには価値観がすごく関わることを踏まえた上で、実際に金銭的に得する場合・損する場合は、どういうパターンがあるかお話していきます。
金銭面で見る賃貸と持ち家
今回はサンプルとして、物件価格4000万円、金利0.6%で購入した場合として計算していきます。
4000万円の物件を賃貸として借りるときは、大体家賃15万ぐらいかかる。
12〜15万ぐらいというところで、仮に15万として今回は計算して、比べてみたいと思う。
この4000万円ぐらいの物件を買うと、諸経費が7%ぐらいかかる。
火災保険とか色々諸経費かかってくるけども、それを計算すると大体7%で4280万円ですよね。
4280万円を0.6%の金利で住宅ローンを借りると、総返済額は4746万円になる。
これぐらいの物件の場合は固定資産税が年間大体20万ぐらいかかるんですよね。
35年支払いをするとして、大体700万(固定資産税20万×35年)ぐらいですよね。
つまり累計の支払い額は5446万円になります(総返済額4746万円×固定資産税700万円)
ここは、ローンを借りることで住宅ローン控除もあるんですよ。
10年間借りている額の1%税制の優遇を受けれれる制度があるんですけれども、その制度を使うと、10年でMAX400万円ぐらい控除が受けれるので、総支払額の5446万円からざっくり計算すると300万円ぐらい引けるという感じになるんですね。
5446万円ー300万円=5146万円が35年間の本当の総支払額+固定資産税、諸経費も借り入れして累計5146万円が支払額になる。
じゃあ賃貸の場合どうなのかというと、月々仮に12万円なら、35年間支払い続けると5040万円(12万円×12ヶ月×35年=5040万円)になりますね。
家賃が15万円の場合だったら、35年間支払い続けると6300万円(15万円×12ヶ月×35年=6300万円)になります。
ですから、全く同じ条件で同じ年ぐらいに賃貸に住みだした場合と、持ち家を購入した場合で計算していくと、家賃12万円ぐらいの場合であれば、若干持ち家より賃貸の方が得するが、ただ持ち家というのは資産的に残るものなので、資産的に残る点を考えて家賃12万円と比べたら、持ち家の方が上回る。
仮に15万円なら完全に持ち家の方が資産として残ることも加味すると、プラスになる。
ただ、賃貸は環境に合わせて住み替えられるわけですよ。
お子さんが小さい時は、家賃7万円のとこに住み、大きくなってきたら12万円に引っ越すとか。
お子さんが巣立って行ったら、二人で住むから家賃7万円に戻るとか、そういうタイミングごとに住み替えができるわけなので、どうしても完璧にどっちが得というのを計算するのはなかなか難しいんですよ。
しかし、じゃあ仮に計算した場合に環境ごとに10年間は7万円で住んで、お子さんが10歳ぐらいから大学に行く期間は家賃12万円〜15万円のとこに住んで、巣立ったらまた7万円とか。
そういうふうに住んでいくと、賃貸の方が金銭的には1000万円ぐらい安く済むのかなというところで、こういう計算をすると賃貸の方が得という話になるので、全く一緒の条件でスタートした場合は持ち家の方に軍配が上がるケースもあるんですけれども、
賃貸のメリットは好きな時に、自由に引っ越したり、家賃の相場を上げたり下げたりできるのが、もちろんメリットになるので、じゃあメリット的な部分で比べたら賃貸は持ち家より1000万円くらいは金銭的に得する可能性があるんじゃないかなというところなんですよね。
あとは持ち家に最終的に資産性がどれだけ残るかで、この1000万円というのも変わってくるわけなんですよ。
ですから本当に比べるのがすごく難しくて、これを見てくださっているあなたが実際に住むと、その場合賃貸と持ち家のどちらがシュミレーションしていいのか。
かつ、自分の子供が巣立った後も、戻ってくる場所を残しておきたいのか。
子供が小さい時から、その子供と共に育っていく家も持ちたいのかとか、そういういろんな価値観的なところとか、条件・金銭的な面ていうのも全て考えた上で買うか決めた方がいいなと思うんですよね。
今計算したのはざっくりの計算なので、実際自分が買うとなると、賃貸と持ち家どっちが本当に金銭的に得なのか。
例えば駅近の土地を買えそうだったら駅近で買えば土地の価格は下がらないし、「じゃあこれだったら賃貸より得かもしれないから計算してみよう」とか。
駅の郊外に家を買うとなれば、これだったら最終的に残る資産はもう賃貸で住み続けた方が得するから賃貸に住んだ方がいいとか。
そういういろんな考え・計算をした上で判断して欲しいなと思います。
ここまで持ち家のメリット・デメリットと、賃貸のメリット・デメリットと、実際に買った場合のシュミレーションもさせていただきましたけれども、その中でこの物件は買っておいたら間違いなく得するでしょうと。
こういう物件は買ったら損失が先ほど言った賃貸が1000万円ぐらい得するケースがあるるよと。
持ち家で買うと1000万円得する可能性のある物件
持ち家買ったら1000万円ぐらい、金銭的な計算でいくと損する可能性がある物件を紹介します。
まず得するパターンというのは二つあって、
1、都内のこれから価格が上昇しそうな物件を買う
これは今から上昇する物件見極めるの難しいけど、本当過去9年前ぐらいに買った人とか、都内で2500万円ぐらいで物件を買ったら、今10年持ってたら評価額が4500万円になってたとか、そういうケースもあるわけなんですよ。
ですから、この都内で見極めるのは難しいけども、上昇しそうな土地。
例えば駅近徒歩2分とか、駅直通みたいな物件を買うのは、将来的に価格上昇する可能性があるので、その期待値を考えるのであれば、買ってもいいということ。
ほぼほぼ得する可能性が高いのは、駅直通とかそういう物件を買うのが一番いいということ。
2、地方でも駅近物件を買う
駅近というのは例えば、愛知県だったら名古屋駅から2駅・3駅とか、快速1本で着く。
そういう駅の近くの物件を買うということ。
いわゆるベッドタウン的な所の駅近物件を買っておくと、そこまで資産価値は落ちないですし、土地建て一軒家建てた場合なら、建物の方は償却していくけども土地の価格がすごく落ちづらいので、その最終的な先ほど説明した、賃貸だと1000万円ぐらい得するところよりも、こっちの駅近の物件を買って、最終的に資産として持っていた時のメリットが1000万円より上回るケースが大きいので、地方でも駅近・ベッドタウンの駅近とか買うのがお得というとこ。
これは、ほぼほぼ得するんじゃないかなと個人的には思います。
反対に持ち家で損するパターン3つ
1、都内の新築タワマン
今はどんどん新築の物件を都内でも供給過多になっているので、全然売れないんですよね。
販売率が下がっているので、つまり売ってる販売会社は売れないので、それなりに利益を取りたいわけですよ。
ということは、それなりに金額がのってる(利益幅)
ですから、買ってもその時点で結構な割合を利益で取られてしまうので、割高で買う計算になっちゃうんですよ。
ということは、比較的損しやすくなるのかなというところです。
これは先ほども説明した通り、住むときの賃貸の場合と買った場合で、どっちが得か計算いて欲しいですけども、ほぼ今の新築買ってしまうと、損するケースの方が大きいのかなということで、損する物件ということで紹介しました。
2、地方の建売住宅
建売住宅は建物が出来上がっていて、土地とセットで3000万円と売っている物件のことです。
地方の建売住宅買うとなんで損するかというと、結局建売住宅をやるという事は、土地+住宅で住宅販売会社は利益を取ろうとしているという事ですから、その分結構利幅がのってるんですよ、正直なところ。
そういう物件を買うと、地方で土地代もそれなりに利益のってるし、建物の方もそれなりに利益のってるので、やっぱり資産価値的には下がってしまうわけなんですよね。
そういう物件を買うと、最終的に残った土地の価値が、先ほど説明した賃貸の方が1000万円ぐらい得するところを上回ってくれないので、やっぱり建売住宅は損しやすい傾向があるのかなと。
ただ、こういう物件が結構安い値段で買えたりする。
なかなか売れ残ったりしてて、本当に元々2480万円が1980万円になったりとか、地方だと結構あるんですよ。
そういう値下がった物件を買うと、意外とここの金額も変わるので、そこはシュミレーションしていただければと思いますが、ほぼほぼ損すると思っていただければと思います。
損するというより、賃貸の方がお得になると考えていただければと思います。
3、資産価値の低い土地に建てる注文住宅
これは先ほど説明した建売の住宅と一緒で、最終的に残っていく土地の価値っていうのが、どうしても賃貸の1000万円ぐらい得する部分よりも低くなる可能性があるので、建物はどんどん資産価値は落ちていくので、残ったのがどうしても賃貸の1000万円を超えてこないということになってしまうんですよね。
注文住宅は建てるメーカーによって、利益率は変わるので、私が元々勤めていたようなローコスト住宅が利益率を低くしているんですよ。
代わりに大手メーカーは、それなりの広告費を載せてるわけなんですよ。
ハイコスト・ローコストどちらで建てるかも、その建物資産価値とか変わってくるんですけれども、結局建物の資産価値はどんどん償却していくので、最終的には土地代が残った資産になるってことになっちゃうんですよね。
ですから建売でも注文住宅でも、結局土地という部分がどれだけ最終的に残るかを考えた方がいいので、ここでどちらが得かを計算していただければいいかなというとこですね。
ほぼ金銭的に賃貸の先ほどのうまく住み替えたパターンと比べたら、どうしても賃貸に軍配が上がってしまうので、地方で資産価値が低い土地を買って家を建てた場合は、どうしても金銭面で賃貸を上回ることは無いと知って頂ければと思います。
まとめ
ここまでいろいろお話をさせて頂きましたけれども、本当に賃貸と持ち家どちらを選ぶべきなのかは、これだけ複雑な要素が絡んでくるんですよね。
それぞれ、あなたがメリット・デメリットを感じる部分は、私が先ほど提示したメリット・デメリットとまた違うメリット・デメリットを感じている方もいらっしゃると思いますし、
また全く一緒の条件の物件を買った場合と賃貸で住んだ場合だと、結果的に持ち家の方が得する場合もありますし、賃貸のメリットを活かして、お子さんが小さい時は家賃を安くして、お子さんが大きくなってきた時は、少し高めの家賃のところに引っ越して、
またお子さんが巣立った時は、家賃を下げていくという上手い運用をしていくと、トータルで見た時に1000万円ぐらい賃貸の方が金銭的には得する可能性があるというような、
本当にいろんな要素が絡んでくるんですよね。
その上で、さらに価値観が自分にはどちらに合うか決めないといけないんですよね。
持ち家を持って、お子さんが巣立った後に、何かあって帰ってくる場所を提供したいとか、お子さんが小さい時から、育てていく思い出を一緒に家と共に過ごすとこに価値観の重きをおうのか、いろんな要素を含めて、自分で持ち家か賃貸かというのを決めるべきだと私は思います。